新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する一般市民の意識や行動変容に関する調査
Survey on behavior changes among the Japanese general public for the prevention of “Coronavirus disease 2019 (COVID-19)”
研究責任者:愛知医科大学医学部 衛生学講座 教授 鈴木孝太
研究協力者:
福島県立医科大学 総合科学教育研究センター 教授 後藤あや
鹿児島大学大学院 疫学・予防医学 教授 郡山千早
【はじめに】
2020年1月ころから世界中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行しています。しかしながら、社会において、この新しい感染症についてどのように認識されているか、流行によって人々の行動がどのように変化しているのか、一般集団を対象とした調査は実施されていません。また、社会が緊張状態にあるときの人々の行動を把握することは、今後の情報提供のあり方を考える上で重要であり、緊急に調査を実施する必要性があります。
そこで、本調査では、COVID-19の流行により、わが国における一般市民の意識や行動がどのように変化したのかを、一般集団を対象とした意識調査を実施することで記述し、さらに、これらの行動変容が、健康に関する情報の利用やヘルスリテラシーとどのように関連しているのかを検討することを目的としています。
本調査により、今回のような新たな健康問題や、災害が発生したときに、人々の行動がどのような因子、特にヘルスリテラシーや情報源などに影響されているのかを知ることは、今後の健康問題に対する社会全体としての対応、特に情報伝達のあり方を考える上で必須です。さらに、本研究結果は、リスクコミュニケーションの観点からも重要な基礎資料となることが期待されます。
【研究方法】
株式会社日本リサーチセンターに依頼し、郵送での質問紙調査を実施します(調査票の回収、謝礼の送付についても委託)。
【研究対象地域、対象者と発送予定数】
・東京都(特別区:1000、それ以外の市町村:1000)
・愛知県(名古屋市:1000、それ以外の市町村:1000)
・福島県(800)
・鹿児島県(650)
上記地域から、性別、年齢の条件と一致した方を無作為で抽出し、調査票を郵送しています。
【調査内容】
・COVID-19についての知識、不安、検査希望、身近さ
・予防行動(手洗い、うがい、マスク着用)の変化
・各種イベント、外食、出張・旅行などの頻度の変化
・COVID-19に関する情報収集とその情報の信頼度について
・SNSによる情報収集と、各種情報源からの情報の信頼度、発信について
・感染症予防についての行動変容ステージ
・COVID-19以外の健康リスク(インフルエンザ、放射線)について
・ヘルスリテラシー(健康情報を読み解く力)について
【匿名化、データの保管について】
・調査会社から入手するデータは匿名化されており、個人情報は含まれていな状態で解析します。
・データについては、研究終了の報告後5年,又は結果の最終の公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日まで、愛知医科大学において保管します。
【研究結果】
研究結果は、学会や学術雑誌などで公開します。